【コメント】
レッドフルーツ系のフルーツ感や、豊かな酸の質、全体的にやわらかいボディ、バランスの良いカップとなっています。
【INFORMATION】
生産国:コスタリカ
地域:サンホセ州タマランカ地域チリポ
標高:1,450m-1,650m
品種:カトゥーラ、カトゥアイ
生産処理:ウォッシュド
チリポ(Chirripo)の由来は、「悠久の水が流れる地」といわれています。この豊かな水を使い作られる伝統的なウォッシュトは、コーヒーが本来持つ軽やかで綺麗な酸と洗練された香り、適度なボディを際立たせます。近年コスタリカではハニー製法が脚光を浴びていますが、良質なコスタリカウォッシュトは他製法では代えがたい味わいがあります。
▼チリポ産コーヒーについて
CoopeAgri生産組合が、チリポ産コーヒーのブランド化を目指して開発されてきました。
このコーヒーは、チリポ・グランデ山を最高峰として、コスタリカとパナマの国境に近い、やや南部のタラマンカ山脈の付近で小規模農家から集められたコーヒーチェリーを原料としています。このエリアで有名なチリポ国立公園はエコツーリズムの土地として有名となっており、野生動物の楽園を見るため、欧州からの観光客が集まります。しかし、数十年前までは、都市からのアクセスも悪く、コーヒーの生産の観点から、長らくあまり注目されることはありませんでした。せっかく良いコーヒーが生産されてもコマーシャルコーヒーとあまり区別されず、流通していました。
しかし、もともと熱帯性気候、火山性土壌で複雑な気象条件のもと育つこの付近のコーヒーは、そもそも豆がもつポテンシャルが高く、近年、CoopeAgri協同組合のサポートの元、小規模の精製工場を設立し、高品質コーヒーを生産しようという取り組みも目立つようになり、質の高いプレミアム及びスペシャルティロットも輩出するようになってきました。
▼CoopeAgri協同組合について
1962年391人のコーヒー生産者が集まり、CoopeAgriの前身であるCooperezeredonを立ち上げました。現在はコーヒー生産者だけでなく、サトウキビの生産者も含めた最も成功した生産者協同組合となりました。設立当初、当初拠点となっていたサンホセ州ペレスセドロンの交通インフラはひどく、物理的にスムーズなコーヒーの流通経路がなく、国内、海外問わずコーヒー市場へのアクセスが困難でした。ブローカーやいくつもの民間業者を介してしか商品を市場に送り出す術がなく、それゆえ、生産者達は日々の生活に使う現金を手に入れるため、非常に安い値段でブローカー等にコーヒーを売り渡さなければなりませんでした。こういった状況を打破すべく、立ち上がった生産者同士が協力し、生産者の繁栄と自立を阻む幅広い問題へ、一つ一つ取組んできた長い歴史があります。
現在では、
・有機肥料の生産と配布等、コーヒーの生産方法の体系化、栽培技術支援、珈琲種子の研究、のサービスといった協働組合員の生産方法に関するサポート
・オーガニックやフェアトレードといった認証取得、ブランド化、周囲の生物多様性と環境問題への取組を行った自然と調和したコーヒー及びその他作物の栽培とそれら商品のマーケティングサポート
・共同倉庫の直接運営という物流改善、市場へ直接販売網の確保
といった包括的で多方面にわたる組合の活動が行われています。